僕は、おおよそ奇跡なんて信じないし、また、自己啓発書にあるようなミラクルも、人生にそうは起きないことを知っている。
でも、そう書きながらも、海の向こうで、ツインタワーにボーイングが突っ込んだり、信じられない津波が押し寄せたり、安泰だったはずの前職から突如、独立することになり、なりたくもなかった社長業をやることになったりと、ミラクルじみたことが、ここ数年いくつも起きた。
たぶん、そしてそれは、みんなの元に起きているんだろう。
書物は矢鱈と論旨を整理したがり、法則化しようとして世界を簡潔に表現する。
でも、僕らは、著者に言われるほど、不幸でもなく、また、成功をのぞんでいるけど、貧しいわけでもなく、本に共感すれども、読後、身の回りが即、一変するわけでもないことも知っていて、また静かに、平穏の日常に帰って行くのである。芸術を追い、文芸に共感し、人生に陶酔し、そこに永遠をみつけて、同時にそれが終わることも周知なほどに充分、僕たちは賢い。
その美しさを永遠にしておくことができないことに、自分の非力さを感じているが、もう諦めている存在だ。生きると言うことはそういうこと。だが、それでも無謀な輩はいて、それを何かしら書いて残そう、描いて残そうと、もがいているのである。
羞恥をこえて、不格好に、それは始まるが、陽が当たることはない。人生とはそんなものでもあるのだが、だからといって、人生が美しくないわけではない。その言葉に出来ない、もどかしさこそが、自分自身の正体で、心の奥底に光るものである。
そいつと芸術が呼応し合って、作品ができあがる。哀惜のこころはいつだって、未完成の芸術だし、人間そのものだ。それは、悲劇かもしれないけれど、それを知るものだけが、美しいものを生み出せる。つまらない日常から尊いものを。一個人から、永遠の美を。これをミラクルと呼ぶ。
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