神社とお寺の違いは何？簡単に見分けるコツ

2019年8月30日新着

日本には神社とお寺という異なる宗教施設が存在します。どちらも初詣などで親しみのある場所ですが、意外と神社とお寺の違いをわかっていない人が多いのではないでしょうか。日本人なら、最低限の知識は身につけておきたいですね。ここでは、神社とお寺の違いについて解説していきます。

起源の違い

神社は神道の施設、お寺は仏教の施設になります。神道と仏教はそれぞれ起源が異なります。

神道は日本起源

神道は古来から日本にある日本起源の宗教です。八百万の神々と言われるように、神道ではこの世のあらゆるものに神が宿るとされています。日本では古来より自然そのものを神様だと考えてきました。昔は神社のようなものはありませんでしたが、あとに伝わってきた仏教の影響を受けて、神社が作られるようになったとされています。

お寺は外来のもの

仏教は大陸から日本に伝わってきた外来の宗教です。仏教が伝わってきた頃、日本にはすでに神道がありましたが、現在では2つの宗教を違和感なく受け入れています。この点は日本のユニークなところかもしれませんね。

祀っているものの違い

神社とお寺では祀られているものが異なります。

神社は神様

神社に祀られているのは、神道の神様です。神主さんや巫女さんは、神社に仕えて歳事や社務などを行います。神社は神様の住む場所です。「八百八万神（やおよろずのかみ）」と呼ばれるように、神道にはたくさんの神様がいます。そのため、神社の数もたくさんあります。

お寺は仏様

お寺に祀られているのは、仏様です。お寺は僧侶が住んで教義を勉強する場所であり、お寺にいるお坊さんや尼さんは仏教を信仰する修行者になります。神道に神様がたくさんいるように、仏様にも大日如来、釈迦如来などたくさんの種類があります。

見た目の違い

神社とお寺は一見似ているようで、異なる部分がたくさんあります。

神社は鳥居

神社で参拝するときに、まず最初に鳥居をくぐりますよね。鳥居は神社のいわば玄関のような存在で、鳥居の先は神域となります。一方、お寺には鳥居はありません。鳥居があるかないかを見れば、神社かお寺かすぐにわかります。

神社の入り口近くには狛犬が置かれています。狛犬は神社を魔物などから守る役割を担っており、神社によってその姿が異なります。狛犬は仏教とともに日本にもたらされたため、伊勢神宮や出雲大社のような成り立ちの古い神社には狛犬の姿はありません。また、稲荷神社にある狐のように、神社によって守護役が異なることもあります。

お寺は仏像

奈良の東大寺には大きな仏像がありますよね。神社では祀られている神様を見ることはできませんが、お寺では仏様の像を間近に見ながらお祈りすることができます。

お寺にはお墓もあります。神社には仏像もお墓もありません。日本では多くの人が仏教の方式で葬式を行い、家のお墓もお寺にあることが多いですよね。神道では死をけがれと捉えるため、神社でお葬式を行うことはありません。

お寺には鳥居はありませんが、入り口に山門があります。また神社の狛犬のように、お寺にも守護役として仁王像が置かれています。

参拝方法の違い

神社とお寺では参拝方法にも違いがあります。間違った方法で参拝することがないように、違いをきちんと理解しておきましょう。

神社は二礼二拍手一礼

神社に参拝する際は、まず最初に手水舎で手と口を清めます。その後、本殿の前でお賽銭を入れて、二礼二拍手一礼します。このときに日ごろの感謝や今後の誓いを述べましょう。参拝するときに拍手をするのは日本だけです。世界から見ると、かなり珍しいことなのかもしれません。拍手をすることには、神様を呼び出す意味がある他にも、邪気を祓うためとされています。

基本は二礼二拍手一礼ですが、神社によって異なる場合があります。例えば島根にある出雲大社や新潟にある弥彦神社などでは、二礼四拍手一礼が正式な作法となっています。間違った作法をしても願いを叶えてもらうことはできません。事前に正しい作法を身につけてから、参拝に出向くようにしましょう。

お寺は合掌のみ

お寺も神社に参拝するときと同様に、まず最初に手水舎で手や口を清めます。次に香炉の煙を身体にかけて、身を清めましょう。身体の悪いところに煙をかけると、早く治ると言われています。

お賽銭を入れた後に鐘を鳴らし、胸の前で合掌します。お寺では神社と違い、拍手はしません。神社でも両手を合わせますが、これは柏手（かしわで）であり、合掌とは異なります。この点を間違えないように注意しましょう。

仏教では合掌することによって仏様と自分が一体になるとされています。僧侶があいさつする時も合掌するように、仏教と合掌は深い関わり合いがあります。

まとめ

神社もお寺も日本に古くから根付いているものです。それゆえに、違いをよく理解していなかったり、曖昧になっていたりする部分があるのかもしれません。今までなんとなく参拝していた人も、神社とお寺の違いを知っておくと、参拝するときの気持ちが変わるのではないでしょうか。神社とお寺の違いは他にもたくさんあります。自分で調べてみるのも楽しいかもしれないですね。